Road to のど自慢~ラスサビ~
11 分前
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会場は思ったよりずっと和やかな雰囲気だった。
長野県大町市文化会館エコーホール
そこでは選ばれた200組の出場者が、思い思いの衣装とパフォーマンスで、そして持ち前の「のど」で、客席を沸かせていた。
出場者は50組ずつ4グループに分けられ、それぞれが20秒ほどの歌唱の後、番組ディレクターと当日の司会者との簡単な面接があった。
私の出番は後半146番目だったのだが、待っている間、不思議と緊張もほとんどなかった。
ステージに上がって順番を待っている間の態度や振る舞いも審査対象のようだったが、どの出場者も演出が素晴らしく、言われなくても自然に手拍子や拍手を送ってしまうような雰囲気を作り出していた。
一方の私といえば、実は予選会の数日前から風邪をひいてしまい、風邪声での本番となってしまった。
本調子で当日を迎えられなかったことは心残りではあるが、ステージの上で眩しいほどのライトを浴び、頭の中まで真っ白になりながらも、後で聞いた話では、できる限りの歌唱や振付ができていたようである。(感極まって舞台上でちょっと泣きそうになったことは覚えている。)
残念ながら本選出場という目標は叶わなかった。
それでも、自分の中で小さな変化を起こすことはできた。
物体は常に動き続けている。
人の心もそう。感動によって人は変わることができる。
例えそれがどんなに小さな感動であっても、いつかその中身を忘れてしまっても、「感動したという事実」だけは忘れることはないだろう。
その記憶が私を次の一歩へと導くのだと思うし、もしこの歪な足跡を「道」だと思ってくれる人がいるのなら、それはこの上ない喜びである。
私はこれからも私の歩幅で歩いていく。
次は妻がどんな無茶な「タイミング」を持ってきてくれるのか、楽しみに待ちながら。
完



